韓国社会の現実
editor : komosyu今回も私の大好きな韓国経済について取り上げていきたいと思う。
前回の記事(/column/like-korean-economy)でも取り上げたように、我々日本人が日本国内から見るnetflixやアイドルのような華やかな社会は、あくまでごく一部の話であり国自体の実情は
かなりシビアになっている。
特に、日本も同様に抱えている「少子高齢化」の問題に関しては、韓国もかなりのスピードで進行しており、今後は日本よりも先をゆく「超少子高齢社会」のあり方を日本も韓国から学ぶことができると考えているので、私は韓国の社会経済について学ぶのが好きだ。
この記事の読者の方も少なからず韓国への関心があると思うので、この記事を書くきっかけとなった書籍はこちらから。
上記の書籍では少子高齢化、貧困・孤立化、デジタル化、教育、ジェンダーの分野についての問題を取り上げているので、今後この中から特に関心のある分野についていくつか取り上げていきたい。
そして、今回の記事ではまず上記の書籍を参考にして我々ふだん垣間見ることのできない韓国社会の実情に軽く触れていきたいと思う。
世の同世代の例にもれず、私自身も日常的にnetflixなどで韓国のエンタメに触れていて、なんとなく漠然と感じていた疑問がいくつかある。
「愛の不時着」「39歳」など、3~40代が主人公となって進む物語が多いように感じられる。
これまでよく見てきた人気ドラマの主人公は2~30代が多いイメージであったが、ここ数年でスポットが当たる年代がシフトしたように感じられる。
おそらく、これは偶然ではなくて現代の韓国社会の実情の一部を映し出しているものの一つだ。
当然のことだが少子高齢化が進んでいるということは、そもそも結婚する人口が減少し、出生率が低下しているということである。
2019年の韓国の平均初婚年齢は今や男性: 33.4歳、女性: 31.6歳という結果になっており、晩婚化が進んでいる日本よりも1~2歳ほど高い数値になっている。
つまり、事実として従来のように20代で結婚して家庭を持つというモデルは崩壊している。
そしてこのまま人口減少が続き「人口減時代」を迎えることになれば、約40年後の2065年には生産年齢人口率: 45.4%(OECD加盟国最低), 65歳以上の人口率: 46%となり、このまま順当に進んでいくと世界トップレベルの「高齢者大国」になっていくことが見えている。
しかし、現在の韓国エンタメを見る限り、3~40代が主人公の作品が増えているということは、高齢化が進むことを民間自体はそこまで問題視していない。それどころかむしろ歳を取っても自分の人生を楽しみましょう。ということ推奨しているようにさえ見える。
冗談抜きに、今後「高齢者大国」が完成した際には6~70代が主人公として取り上げられる韓国エンタメが世界を席巻するというシナリオも大いにあり得るので、それはそれで楽しみである。
しかし、生産人口が減少していくと、当然だが国としてかなり厳しい状態に陥ることになるはずなので、それを補う手段としてこれまで通りエンタメを中心に置くのか、それとも全く別の方法を撮るのか、今後どのような打ち手を打つのかが気になるところだ。
また、この書籍で影響を受けた内容をまだまだ今後も記事にしていきたいと思う。