2022/09/05コラム

アンダードッグコミュニケーション

editor : komosyu
アンダードッグコミュニケーション

周囲の人と比較して所得が低い場合、たいていの人は恥ずかしくて自分が貧困であることを偽って生活するか、あるいは自らの経済状況をいっさい口にしないというムーブをとる人がほとんどの印象なんだけど、いいエンタメになるからネタにしてみてほしい。

人間の根底にはおそらく動物だったころから、自分や自分の仲間を守るために他者へのマウントをとる習慣があるのだと思う。

「おれにはこんなにちからがある!ここはおれのなわばりだ!」ってね。

自分の所属する会社、乗っている車、年収、住んでいるところなどを周囲にアピールするのがその名残なのだろう。

でも、よく考えてみるとそれはただの本能や習慣に関する問題というだけであって、この現代社会においてマウントすることによるメリットなんてあるだろうか?

そんなマウントをしたところで寄ってくるのといったら、詐欺師か金目当ての異性くらいのはずだ。

なかなか本能にあらがうのは難しいのかもしれないけど。

その点、貧困層は楽だ。

ひとにうらやましがられるようななんて、はなから持っていないのだから。

では、実際にどうやったらネタにできますか?というと、「いやー、月の手取りが〇〇万円でキツイよー」「お金なくて5年くらい洋服買えてない」などといった貧乏じまんをしてみよう。

最初はドン引きする人がおおいんだけど、繰り返しそのネタを入れながら会話をしてみる。

その問題の深刻さとはうらはらに軽々しく貧乏じまんを入れていくと、笑えてくるらしい。

笑わせる側なので正直なにがおもしろいのかはあまり理解できないのだけれど、ひとの貧乏話はどうやらおもしろいみたいだ。

やはり人間という生き物もまだ動物的部分が残っているようで、マウントじゃないけど格下の存在に対してはじぶんを脅かす危険な存在ではないということへの安心感と嘲笑から、エンターテイメントとして楽しめるようだ。

そして、我々貧困層にとってもじぶんを楽にする手段のひとつであって、低所得なことを偽ったりコンプレックスに感じたりしなくてもよくなるはずだ。

お金の問題は世間的にはシビアに捉えられる面がある一方で、それゆえにポップな切り出し方をして取り扱うことで相手を楽しませてじぶんも楽に過ごせる話題でもあるので、貧困層の人はぜひ使ってみてほしい。